コラム
2025年4月28日
On the sunny side of the street
GWを迎えてだいぶあたたかくなってきました。日が長くなって来たので、帰り道の公園に子どもたちがたくさん集まるようになりました。今ぐらいの時期がずっと続いて欲しい。
この半年間、再放送のNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」を見ていました。三世代の女性を中心に語られる、100年の物語。とても大好きな作品です。2021年の本放送でも毎朝見ていて、何度も涙していましたが、再放送では先が分かるからこそまた涙する、という状態でした。この作品が伝えている一番のことは、コツコツとした日々の努力は裏切らない、それはきっと自分をいつか思いもよらないところに連れて行ってくれる、ということ。さらに、その努力で得られたものは人に分け合えばさらなる輝きを放つ、ということです。
最近よく見られる、効率重視で無駄を極力省くことを良しとして、早急に結果を求めるような雰囲気は、それとは対極のように思います。コツコツ努力をしている間は、これが何に繋がるのか、どんな結果になるのか、見えなくて不安になります。それでも、1日1日を大切に生きる。日々に楔を打ち続ける。それを愚直に続けていく。それは、もしかしたら人から見たら、つまらなくてくだらなくて当たり前で、賞賛するべきことでもなんでもないものかもしれない。でもそれを続けていくことで、気がつけばあなたの後ろには間違いなくあなたが刻みつけた跡が長く続いていて、それは誰にも決して奪われるものではないのです。そして、おそらく私たちが現在享受している多くのものは、どこかの誰かの、その日々の苦しくもたゆまぬ努力により作り上げられたものなのです。それらは、早急に結果を出すとか、損とか得とか、そういったものを重視する中ではきっと生まれることはなかったであろうものたちばかりです。
そう考えると、私たちはすでに誰かがそのコツコツとした努力によって得られたものを分け合ってもらっていて、その輝きをプリズムのように反射させながら、また異なる光を作りだそうとしている、と言えるのかもしれません。そしていつかそれを誰かと分け合えた時、またその輝きが誰かを照らすものになるのかもしれない。きっとそうやって、私たちはずっと、連綿と時を刻んできたのです。
先が見えなくて不安でも、今やっていることが何に繋がるのか分からなくても。あなたが今コツコツとやっていることは、あなたを作り、あなたを支え、ある時はあなたを守る武器となり、またある時にはあなたを遠くへ連れて行く翼となるでしょう。だからまた今日この1日を生きるのです。日なたの道を歩くために。
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