コラム
2025年2月28日
ダイエットの秘訣は不完全な自分を愛することだった
去年からダイエットを始めましたが、それは半年たった今も続いています。こんなに長く続いたダイエットは人生初で、少しずつですが結果も出ており、それがまた励みになっています。
以前は、やるぞ!と思っても忙しかったり疲れていたりで運動できない日があると、「ああまた休んでしまった。やると決めたのにまた続かなかった。できない言い訳ばっかりして、結局また3日坊主だ。そもそも私は昔からやろうと思ったことをなかなか続けられなくて、自分に甘い、自堕落な人間なんだ」などと考えていました。そしてまたやる気がなくなり、結果的にやめてしまうという悪循環。でもこれは、自分に対するネガティブな信念(「自分はダメな人間だ」)を確認し強化するための行動や考えであるなと気づいたのです。ですので、これまでの続かなかったダイエットを見直すことにしました。
まず、毎朝体重を計ったらそれを写真に撮り友人に送り付ける、ということをすることにしました。ありがたいことに友人が快く了承してくれ、その写真に反応もくれるため、それは毎朝続いています。そして「朝に体重を測る」ということのハードルを下げるために、自分の朝の動線を考え、一番無理なく計測できる場所に体重計を置きました。この「朝に体重を測る」ということを継続しているだけで、「ダイエットの継続」という目標はすでに達成しています。そうすると、もし今日運動できなかったとしても、また明日やればいい、と思えるのです。だってまだ自分はダイエットを継続しているのだから。今日できなくてもそれで失敗、終わり、というわけじゃないのだから。
今思えば、私は「ダイエット」というものに対して、完全なものを求めていたのかもしれません。運動を毎日する、食事内容を考える、体重を毎日計測する、そして結果を出す。それらを全部やって初めて「ダイエットできている」と誇っていいのだと思っていたのです。ですが結果的に、「目標達成のハードルを下げる」「人の助けを借りる」「不完全な自分を受け入れて今できていることに注目する」、これらのことが、継続を支えるものとなりました。
これらはもしかしたら、全てに通ずるのではないだろうか。心身に不調をきたしている時、考えが堂々巡りになっている時、自分や誰かを否定する考えで頭がいっぱいになっている時、私たちは本当に必要なことを見ないようにして、ネガティブな信念を強化することに、無意識にやっきになっています。目標を高く設定し、独りで考え、失敗に注目し、不完全な自分を嘆き憎む、というような。そうなってしまうことは、もちろんその人だけの問題や責任でないことも多いです。過酷な環境をサバイブするための方法がそれになってしまうこともあるでしょう。
でも私たちには、変化する可能性が常に備わっているので、そこにいつまでもいる必要もないのです。あほらしいと思ったら、いつもの方法はやめてしまっていい。別の方法を試して、うまくいかなければまた別の方法を探してもいい。できなくたっていい。また始めればいい。少なくとも、「今、生きている」という、何より大事なことを私たちは続けているのだから。
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