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コラム

2024年12月2日

暗闇への不安に灯りを灯すこと

 とうとう12月に入りました。夜が来るのがすっかり早くなり、朝起きてもまだ外は真っ暗です。夏の時期に比べると、同じ夕方の時間でも暗いととても遅い時間のように感じます。夏の17時なんてまだ明るくて、これからまだもう一つ二つ何かできるのではないか、という気になります。太陽が出ているかいないかだけでも、人の気持ちというものはとても変わってしまうことを感じます。

 ですので、1年の中でも最も夜の長い今くらいの時期には、なんとなく気が滅入るという人も多いのではないでしょうか。でもそれはある意味自然なことのように思います。かつての人間にとっては、夜は動物などに命を脅かされる恐怖を感じる時間だったことでしょう。その時の感覚が今でも私たちの中に眠っていて、言い知れぬ恐怖や不安を感じさせているのでは、と思います。明かりを灯すことで「安全な内」と「危険な外」に分け、人々は営みを続けてきたのでしょう。

 夜が暗いことが恐怖を感じさせるように、「分からない」「見えない」ということは、人々を恐怖と不安に陥れます。この数年のパンデミックも未曾有の災害も彼の地の虐殺も、私たちに「どうなるか分からない」「何が本当か分からない」という恐怖と不安をもたらしました。歴史を紐解くと、そのような社会不安が高まった時には、人は強いリーダーを求め、安心を得ようとしてきたことが分かります。そしてその先に何が待っていたか、私たちは知っている。

 不安や恐怖というものは良くないものだと考えられがちですが、本来は自分自身を守るための機能です。怖いと思うからこそ、人は安全な道を選ぶことができる。自分が何に恐怖を感じているのか、何に不安を感じているのかを知り、対策が可能なものかどうか見極めれば、必要であれば対策を講じたり回避したりすることができます。それは誰かが掲げる「正解」を盲信して不安の根源から目をそらすこととは異なります。

 歴史を学んだり知識を得たり、考えることを放棄しなければ、自分自身でその不安に灯りを灯すことができるし、誰かの不安を和らげる灯りになることができる。そうであってほしいし、私たちにはそれができる。そう信じているのです。

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