コラム
2024年10月29日
Democracy is not dead
だいぶ秋が深まってきました。通勤で自転車に乗ると、風を切って進むので体感が2~3度は下がって感じます。帰路につくとあたりはもう暗くなって、乱高下を繰り返す気温とはうらはらに地球の公転は変わらないことを感じます。宇宙から見れば、ここ数百万年のあっという間に爆発的に増えた生き物が互いに殺しあっては地表を広がる様はどう映るのだろうか、などと考えたりします。
先週末には衆議院の選挙がありまして、私も投票をしてきました。最近は芸能人の方がSNSで「選挙に行きました」「選挙に行こう」ということを発信されることも増えてきたように感じます。芸能人が政治のことを話すことがマイナスの印象を与えるという時期は過ぎたのかもと思います。影響力を持つ人によって、選挙に行くことのハードルが下がったり、政治を自分事として捉えることができる人が増えることは良いことだと感じます。
一方で、その機運をさみしく感じている人もいるのではないかと思います。生まれも育ちも日本でも、税金を納めていても、選挙権を持たない多くの人たち。彼ら彼女らは自分たちの生活に直接関係のあることでも、その政治に投票という形では意思を伝えられません。だからこそ、選挙権を持っている私たちは投票をしなければならないと思います。
「自分には関係のないこと」と無視していれば、いつかそれが自分に直接関係のあることになってきた時には、もう取り返しのつかないことになっている。何も関係のないことなんて、きっとほとんどない。多くのことは地続きで、指先に刺さった棘から回った毒が心臓に到達するように、いつかその根幹を揺るがすことになるかもしれない。実際30年前に、今の状況を想像できていたでしょうか。「さすがにそんなことにはならない」と思っていたことが当たり前になっている、そんな現在を。
私は現在の政治には辟易していますが、希望を捨てているわけではありません。投票以外にも自分にできることはまだまだあると感じていますし、民主主義はまだ死んでいないと思っています。諦めたらそこで試合終了だよ、という言葉は散々使い倒されてきましたが、それも一つの真実です。諦めなければまだ負けてない。そう信じて私は投票所に行くのです。
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