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コラム

2024年10月21日

名は体を表しそれを作る

 つい先日までいつまでも真夏のように暑かったのに、朝晩が急に寒くなりました。1日の中でも数日の間でも寒暖差が大きくて、服も悩むし、体調管理も大変な時期になりました。イタコ漫画家として有名な田中圭一氏も著書「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」で言っておられましたが、寒暖差が大きい時期は精神的にもしんどい時期と重なります。しんどいのは自身の問題ではなく、季節的な要因もあるということはぜひ知っておいていただきたいことだと思います。

 さて、今日は「言葉」の持つ力について考えたいと思います。こちらは女性専用のカウンセリングルームですので、もちろんですが来られるのは女性です。そうすると自ずと夫婦についての話などをうかがうことが多くなります。それはそれ自体が問題であるかどうかに関わらず、その方を取り巻く状況をうかがう時に、婚姻関係にある相手というのはとても重要な要素だからです。

 そこで、私はその相手のことを、「夫さん」とお呼びすることにしています。「ご主人」や「旦那さん」という言葉を意識的に使わないようにすると、結果的にこの言葉しか残りませんでした。「パートナー」という言葉もありますが、この言葉が持つ「対等な存在であり友好な関係を築いている」というイメージ(実際はそうではないのかもしれませんが)が、その言葉を使うことを躊躇させる場面もあります。そのため、純粋に「婚姻関係にある」という意味合いで使える言葉として「夫さん」という言葉を使用しています。

 「主人」「旦那」という言葉と呼応して一般的に妻側に使用される言葉は、「奥さん」「嫁」でしょうか。これらの言葉が持つ主従関係と役割の要素は、過去の家制度の名残でしょう。現在は憲法においても夫婦は対等だと示されておりますので、夫婦関係に上下や主従関係はありません。ですが言葉だけが今も残り続けています。

 言葉には力があります。日常的に使用している言葉は無意識にその人の思考や感情に作用します。「主人」「旦那」「奥さん」「嫁」といった言葉を日常的に使っていれば、法の下の平等があっても過去の家父長制における夫婦関係が再生産されることも起こってきます。ですから、私はその言葉を日常的にも使いませんし、カウンセリングの場においても使わないようにしています。「夫さん」という言葉はなじみがなくて使う度に違和感がありますが、その違和感こそが必要なのだとも感じています。

 夫婦というものは対等で、家の外で報酬を受ける方が偉いとかその金額が高い方が偉いとかいうことは絶対にありません。お互いにケアし合い、問題が発生すればお互いに協力して解決する、という関係です。ならばお互いの呼び名も対等であるべきでしょう。少なくとも私はこちらに来られる方にそれを示したいし、私自身が夫婦関係をそう扱いたいという気持ちから、それに沿った言葉を選びたいと思っています。

 人が発する言葉は、自身の意識していなかった考えや信念を表していることもあれば、逆にその信念を変えていく力も持っています。自分が使っている言葉にどんな意味があるか、どんな言葉を自分は使いたいのか。そこに意識的になった時、もうその瞬間に変化は始まっています。

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